小説裏話。心震える想いの物語。長編小説『劇団拝ミ座』のコソッとこぼれ話。

本記事には『劇団拝ミ座』の軽微なネタバレが含まれております。予めご承知おきください。

こんにちは。小説家の森原すみれです。

先日の記事に引き続き、今まで執筆してきた小説のこそっと裏話をお届けいたします。

今回のピックアップ作品は『劇団拝ミ座』。物語のストーリーやキャラクターのご紹介、あれこれ裏話をお届けしたいと思います。どうぞお付き合いいただければ幸いです。

\\ 想いと願いが奇跡を紡ぐ、長編小説です //

あらすじ

本作は、森原の2冊目の刊行作『あやかし薬膳カフェ「おおかみ」2巻』発売後に執筆した長編小説です。

感受性の高さに生きづらさを感じながら過ごしてきたOL・はるかは、ある日ウエディングドレスを抱えた美青年・みやびと出逢う。そんな彼に突如懇願されたのは、亡き者の未練のときを再現して空に送りだす、『劇団拝ミ座』の活動協力だった。
拝ミ座の活動にかかわるようになった遥は、徐々に自身の持つ力の意味と居場所を見出していく。その中で、彼らの絆もまた繋がりを強め、彩りを変えていって──。遺す者と遺される者。それぞれの想いが紡がれる切なくも温かな癒しの物語、開演です。

森原作キャラ文芸小説の第4作目。あやかしたちが賑やかな他作品に比べて、切なく胸が震えるような「想い」の物語となっております。

本作あらすじ紹介の自作マンガもございます。ご興味のある方はこちらもご覧くださいね。

 

主要キャラクター3人をご紹介

次に、本作に登場する主要キャラクター3人をご紹介しますね。

霊を「自分に」憑依させます:小清水遥

本作の主人公。人や物に込められた想いを感じ取ることができる、遥。その力は遥の心を徐々に委縮させていきましたが、雅との出逢いでその力の意義を見出していきます。物語序盤ではやや内向的でしたが、風来坊の様相ただよう雅と一緒にいるうちに、自分の意見をしっかり表に出せるように。そして、紡がれていく雅との絆はどうなるのか──とてもとても気になるところですね。

異能を持つ和装飄々イケメン:御護守雅

『劇団拝ミ座』の代表。美しい和装に身を包み、穏やかな笑みを浮かべている美丈夫です。駅前広場でウエディングドレスを抱えた状態で現れた彼は、通りかかった遥に声をかけます。基本的に飄々としたマイペースで、人を振り回すこともしばしば。それでも亡き者の心に寄り添わんとする強い気持ちが、周囲の人の心をも強くひきつけます。初対面のはずの遥を『劇団拝ミ座』の協力者として求めたのは、いつもの気紛れだったのか、それとも…?

裁縫至上主義のイケメン②:瑠璃川和泉

『劇団拝ミ座』配属の衣装係の青年。完全無欠の職人気質イケメン。雅と同じく、亡き者の姿を見ることができる眼を持ちます。いわゆる「演者」としての実力も高いですが、基本的に衣装づくり以外に興味がありません。それでも、長年苦楽を共にした雅の危うさを気にかけてもいる、ツンデレな一面も。新入りの遥の人となりを冷静に分析する彼が出した、その結論は…?

 

作者的推しポイント3つ

ここで森原自身が厳選しました『劇団拝ミ座』の推しポイント3つをご覧頂ければと思います。

和装飄々系美男子、雅さん

推しポイントのひとつめが、森原イチ押しのイケメンキャラのひとり、雅さんです。着流しをまとい、穏やかな笑顔で亡き者の声を聞く雅さん。その反面、生活力がほぼなく、掴みどころがなく、飄々とした自由人でもあります。そんな彼とは正反対の、生真面目で責任感の人一倍強い主人公・遥。タイプの真逆な二人がどんな絆を紡いでいくのか、是非たくさんの方に見守って頂ければと思います。

感覚過敏で悩む、遥の成長

主人公の遥は、前述の通り感覚過敏で長年悩んできた過去を持ちます。ときに、知らなくてもいい他人の本心を垣間見てしまったり、悪意を感じ取ってしまったり…。そしてそんな感覚、実は読者の皆さんも経験されたことがあるのではないかと思うのです。人に共感することは、ときに幸せなことも、辛いことも、切ないこともあります。そんな力を人一倍強く持つ遥が、雅との出逢いでどう折り合いをつけ、成長していくのか。皆さんにもぜひ見守って頂ければ嬉しいです。

遺す者、遺された者の物語

『劇団拝ミ座』の活動の根幹、遺す者、遺される者の物語。今は亡き者の声に耳を傾け、遥たちはその未練のときを再現していきます。そして、その再現のときのシーン。森原は全シーンでぐしぐし涙ぐんでおりました…! 森原の小説のなかでも、目頭がじわりと熱くなる感動ストーリー。ぜひたくさんの方にご覧頂ければと思います。

 

コソッと『劇団拝ミ座』制作秘話

ここからは、さらにこそっと裏話を書かせていただこうと思います。小説執筆の裏側を感じていただき、本作をより身近に感じていただければ嬉しいです。

きっかけは、「人の想い」に焦点を当ててみようと思ったことでした

本作を執筆する前に、キャラ文芸作品を3作品執筆していた森原。その3作はすべて「あやかし」が登場する物語。そのこともあり、次に書く物語は一度あやかしから離れて「人の想い」に焦点を当ててみようと思ったのですね。

森原
森原

とはいえ、実はあやかしが全く出てこないこともありません。あやかし、大好きです!笑

その結果生まれたのが人の想いを過敏に受け取ってしまう主人公・遥と、亡き人の心と向き合う飄々系イケメン・雅の存在でした。

そこから遥が向き合うことになる胸きゅんエピソードは…、葛藤は…、成長は…。妄想をもくもくと膨らませた結果『劇団拝ミ座』が無事完結したのでした。

執筆中に聴いていた曲は、DAOKO×米津玄師の「打上花火」でした

本作執筆中の森原的テーマソングは、DAOKO×米津玄師さんの「打上花火」でした。特に、「第三幕 真夏の牡丹に大輪の花束を添えて」に、とてもとてもよく似合っていると思います。真夏の刹那の美しさを切り取ったような切ないメロディーが、イメージぴったりだなあと思える素敵な曲。よろしければ、皆さんもぜひお聴きいただければと思います。

 

さいごに

ということで、今回は長編小説『劇団拝ミ座』のあれこれ裏話をお届けしました。

本作は、表紙イラストを妄想してしまうほど書籍として皆さんにお届けしたいと願う作品のひとつです。ぜひこの機会に『劇団拝ミ座』の彼らの物語をお楽しみいただければと思います。

それでは、ここまでお読みいただきありがとうございました。

 

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