こんにちは。小説家の森原すみれです。
森原はこれまでいくつかの長編小説を書いてきましたが、執筆中、作品のイメージソングを探す習性があることに気づきました。作品の空気感やイメージを、曲という別の視点からも確かめたくなるのかもしれませんね。
というわけで今回は、今まで執筆してきた長編小説の個人的イメージソングについて徒然語らせていただきたいと思います。皆さんの作品イメージと比べて頂きながら、まったりお付き合い頂ければ幸いです。
今回取り上げた物語は、『あやかし薬膳カフェ「おおかみ」』『あやかし憑き男子高生の身元引受人になりました』『劇団拝ミ座』の3作です。
(※以下、敬称は省略させていただきます)
まずは、森原のデビュー作『あやかし薬膳カフェ「おおかみ」』。
行き場を失い半分自棄になった日鞠が、北海道の薬膳カフェでイケメンあやかし孝太朗と類に出逢い、温かな縁の糸を結んでいく胸きゅん物語です。
こちらの作品は、有難いことに3巻刊行させていただいておりまして、その話ごとに違うイメージソングがございます。
作品全体のイメージソングは『泣いても 泣いても/藤田麻衣子』です。健気でひたむきな主人公、日鞠の心が歌われているような素敵な曲。藤田さんの透き通るような歌声も、聞くたびに心癒されます。
次に、2巻の3話「十二月、化け狸と聖なる夜」の執筆時。このときによく聞いていたイメージソングが『高嶺の花子さん/back number』です。クリスマスイブに類と有栖の間で起こったあれこれ。そこから札幌駅周辺を走り回る類の姿と疾走感に、こちらの曲を重ねて応援しておりました。
そして、3巻の2話「三月、木の子と夢の発芽」の執筆時。このときのイメージソング1曲目は『ソメイヨシノ~桜の木の下で~/SeanNorth』。そして2曲目は『3月9日/レミオロメン』です。
どちらも春の桜舞う季節が目一杯に溢れている、本当に素敵な曲ですね。3月の北海道は桜シーズンにはまだ少し早いのですが、木の子と優人の最後の語らいのシーンには不思議と桜吹雪が見えるような気がしています。
次に、『あやかし憑き男子高生の身元引受人になりました』。
何でも屋を営む中性的美女の暁が、自称甥っ子の千晶と彼に憑いてきたあやかしの烏丸とひとつ屋根の下になる、家族愛とじれじれ三角関係の物語です。
この作品のイメージソングは『サクラビト/Every Little Thing』です。何でも屋を営む主人公の暁と自称甥っ子の千晶、そして彼に憑いてきたあやかしの烏丸。桜の季節に出逢った彼等の姿と、神々しい和の空気を感じさせる曲です。聴いた瞬間に「この曲だ!」と胸がどきどきしました。
最後に、『劇団拝ミ座』。
感覚過敏で生き辛さを抱えた主人公遥が、ウエディングドレスを抱えた美青年雅にあれこれ言いくるめられ、未練のときの再現のお手伝いをさせられるお話です。
特に3話「真夏の牡丹に大輪の花束を添えて」のイメージソングになっているのが『打上花火/DAIKO×米津玄師』です。とある夏の日の、儚く切ない想いが感じられる曲。3話がまさに夏のお話で、花火がキーワードのひとつということもあり、まさにイメージソングにぴったりだと思います。
というわけで今回は、長編小説の森原的イメージソングにつきまして語らせていただきました。皆さんご存知の曲はございましたでしょうか。これからも素敵な曲に出逢って、自分が紡いでいく物語の世界をより豊かなものにできればと思います。
それでは、最後までご覧いただきまして誠にありがとうございました。
森原すみれ
\\ 皆さんのイメージソングはどの曲でしょうか //
北海道を舞台に繰り広げられる
あやかしと優しい薬膳の物語です。
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