PDF著者校正をiPad miniとApple Pencilでやってみましたレポ

こんにちは。ポメラ大好き小説家の森原すみれです。

小説家の作業のひとつの「著者校正」。印刷レイアウトに落とし込まれた原稿内容を、改めて見直す作業です。

今回はそんなどきどきの著者校正を、紙のデータではなく「PDFデータ」で進める方法をまとめてみました。新米物書きの方法論の1つとして、皆さんのご参考になれば幸いです。

今回の手順を行う前に、必ず手順以前のファイルを保存してください。
万一作業がうまくいかない場合も責任は負いかねますのでご承知おきください。

 

PDF著者校正に使用したツール

PDF著者校正をするために、森原が使用したツールをご紹介しますね。

  • iPad mini 5
  • Apple Pencil(第一世代)
  • Goodnotes(アプリ)

特に今回皆さんにご紹介したいのが、アプリ「Goodnotes」です。

PDFデータへの赤入れ作業に大活躍のこちらのアプリ。動作も安定していて、ファイル容量の過度な変化もなし。Apple PencilともBluetoothでしっかり繋がってくれることで、不意に画面に手が触れたときにも不要な赤ペンが入ってしまうこともありません。赤入れに使用するアプリをご検討中の方には、おすすめのお役立ちアプリです。

無料版もありますが、森原は買い切りの有料版を購入しました。プラン内容は一度ご確認くださいね。

実は森原、こちらのアプリの前に他のアプリを試験的に使っておりました。

 

しかしながら、せっかく書き入れた赤入れが(何故か!)複数回消えてしまったり、ファイル容量が驚くほど膨らんでしまったり。これでは安心して作業ができない…と泣く泣く断念。

 

そんな経験もありまして、「Goodnotes」の使いやすさが今もじんわり身に沁みております。

 

PDF著者校正をやってみよう

ツールを整えたところで、さっそくPDF著者校正をはじめます。細やかな設定等は説明を省いておりますので、別途ご確認くださいね。

Goodnotesに初校PDFをアップロードする

 

スクロールの方向を縦方向に

原稿の読みやすさを踏まえ、スクロールの方向を『縦方向』にします。[設定]→[書類設定]→[スクロールの方向]から選択ができます。

ペン先などの描写ツールの設定をする

Goodnotesには描写のための様々なツールがあります。最初に、自分が使いやすいように設定をしておきましょう。

 

赤ペンの太さを調整する

作業中とってもお世話になる、赤ペンツール。書き入れる文字がより読みやすくなるように、太さも調整です。

 

よく使う機能のみツールバーに表示する

ツール選びで迷うことのないように、よく使う機能を厳選して表示させました。具体的には、『ボールペン』『消しゴム』『蛍光ペン』『なげなわツール』『テキスト』『シェイプ』です。

 

ツールの説明
  • ボールペン
    赤入れ作業の必須ツールです。
  • 消しゴム
    「自動選択解除」をONにすると、消しゴムを一度使用したあと、直前に使っていたツールに自動で切り替わります。消した後にすぐ赤入れを再開できるので、とっても便利。
  • 蛍光ペン
    後ほど改めて確認したい箇所など、目立たせるために使用。
  • なげなわツール
    記載した文字を範囲選択して移動させるときなどに使用。
  • テキスト
    手書きで書き込むのが大変な長文(すみません…!)を書き入れるときに使用。ただ、現状アプリ内では『横書き』入力のみで『縦書き』入力ができないようです。
  • シェイプ
    直線や四角形を書き入れるときに使用。

 

Apple Pencilで校正作業スタート

ツールの準備が整ったら、いよいよ校正スタートです。

iPad miniは画面がやや小さいので、森原は本体を縦に置き、画面を拡大させて作業していました。校正に用いる校正記号については、書籍『標準校正必携 第8版』の250ページ~を参考に。いつもとってもお世話になっています。

 

PDFデータにして保存

完成した著者校正データを、「すべてを書き出す」からPDFに変換し、保存します。

 

firestorageでメール提出

メールはgmailを使っているのですが、添付データ容量が大きいとメール添付できないことがあるんですよね。森原は「firestorage」のサービスを利用してメール提出しました。
 

PDF著者校正に挑戦してわかったこと

どきどきのPDF著者校正に挑戦してみた結果、いくつか気づきがありましたのでご紹介しますね。

 

原稿配送の日数を心配しなくていい

森原は北海道在住。というわけで、出版社に紙の原稿を配送するには、ある程度の日数がかかります。対してPDFデータをメール提出する方法ならば、ほとんど一瞬で提出できます。

これは遠方在住の作家にとって、かなり大きなメリットではないかなと思います。また、台風や猛吹雪の季節に「悪天候で到着延期になっていないかな?」という不安がないのも素晴らしいですね。

 

文字の書き直しがしやすい

紙の原稿に赤入れをするときに神経を使う点は、やはり「書き損じ」ではないでしょうか。

その点、デジタルの赤入れ文字はすぐに修正できます。移動もできます。テキスト入力もできちゃいます。これは手書き文字に自信のない森原にとって、大きな救いの手になってくれました。

その反面、消しゴムツールで無用な部分まで消してしまわないようにご注意くださいね(数回やった人)。

 

手首への衝撃がわずかにかかる

紙に文字を書く動作と、iPadに文字を書く動作。一見同じように思えますが、当然ながら「紙」よりも「iPad」のほうが固いですよね。その固さの違いからか、森原の筆圧が強かったからか、作業終盤時点で腱鞘炎レベル0.5のようなほんのわずかな違和感を覚えるように…。

日ごろ腱鞘炎にお悩みの方は、こまめに休憩を取るなどして意識的に手を休ませることをおすすめします。

 

さいごに

今回は、PDF著者校正のやり方についてご紹介しました。未熟で非効率な部分もあるかと思いますが、皆さんのお役に立てば嬉しく思います。

ここまでご覧いただきましてありがとうございました。